蜂の巣駆除お役立ち情報
日本国内には多くのハチが生息していますが、中でもキイロスズメバチは大きな被害につながる可能性がある、危険なハチです。もしも、住宅などに生息しているときや巣を見つけたときには、ハチを刺激しないよう注意しましょう。
自力で駆除する方もいますが、身の危険を感じたときには自分で無理に駆除しようとせず、専門業者に依頼しましょう。
この記事では、キイロスズメバチの巣をはじめとした特徴、注意点、駆除方法などを詳しくご紹介します。
目次
全国でキイロスズメバチによる被害が報告されています。自宅や職場、学校などの身近な場所でハチが飛んでいるのを見かけた際は、まず、それがキイロスズメバチか否かを確認しましょう。
ほかのハチとは異なる以下の特徴があります。
スズメバチのなかでもキイロスズメバチは比較的小さく、働きバチであれば約2cm前後の体長のものが多いです。女王バチの体は2.5~2.8cmほどのケースもあります。
体の色は明るい黄色で、飛んでいるときは赤みがかって見えることもあります。これは、体に黄色く細かい毛がびっしりと生えているためです。
キイロスズメバチは雑食です。働きバチはバッタ、ハエ、クモやセミといった昆虫を捕食して幼虫に与えます。同じハチの仲間であるミツバチを捕まえて捕食することもあるようです。
また、死んだ魚やヘビ、エビやイカなどを肉団子のようにして巣に持ち込むこともあります。
クヌギやカシなどの樹液、ブドウやカキなどの果実、サザンカなどの蜜も食料です。
最近では、街なかにあるジュースなどの空き缶から糖分を摂取するケースも増加しました。
キイロスズメバチは、ほとんど揺れることなく素早く飛びます。
一方アシナガバチは、上下に軽く揺れるような動きでゆっくりと飛びます。このとき、手足が下側に下がっているのが特徴的です。
活動期間が長いのも特徴です。
ほかのハチの活動期間は、長くても数カ月程度であるケースがほとんどです。たとえば、アシナガバチは春から夏の終わり頃までしか活動しません。また、オオスズメバチも春から10月頃で活動を終えます。
一方で、キイロスズメバチはまだまだ寒い3月のうちから活動を始め、11月頃までアクティブに飛び回ります。とくに、働きバチが羽化した6月以降は活動が活発化し危険性が増すので注意しましょう。寒くなる12月頃になると冬眠に入るため、活動も鈍くなります。
キイロスズメバチは繁殖力が高い種類です。春先に女王バチが生む卵は数十匹や100匹程度ですが、これが初夏以降には数倍に増殖していきます。
大きな巣が作られた場合、その巣には1,000匹以上生息していることもあります。
アシナガバチをはじめ、こちらが刺激しない限り襲ってこないハチもいます。ですが、キイロスズメバチはこちらから刺激しなくても襲ってくることがあります。場合によっては、激しく攻撃してくることも多いため気をつけましょう。
刺されたときの危険性が高いのも特徴です。同じスズメバチ種のオオスズメバチほどではないものの、十分な毒性があります。その毒の量はオオスズメバチに次いで多く、攻撃力もオオスズメバチやツマアカスズメバチに次ぐといわれます。
刺されたときには痛みが起き、患部が大きく腫れ上がります。アナフィラキシーショックを起こす危険性もあるので十分な注意が必要です。
とくに体の首よりも上の部位が刺されたり、ショック症状が見られたりした場合は、速やかに医療機関を受診してください。
ほかのハチの針にはかえしが付いており、一度刺すと針が外れるようになっています。しかし、キイロスズメバチの毒針にはかえしがなく、何度も刺すことが可能です。刺激すると、繰り返し攻撃されてしまうこともあるので気をつけましょう。
巣は街なかや住宅街など人間の生息域に多く作られます。巣の特徴や見極め方をご紹介します。
ハチの巣というとハニカム(六角形)構造が並んだものを思い浮かべるかもしれません。しかし、キイロスズメバチはほかのハチと異なり、巣が球体やラグビーボールのような楕円形、またはそれに近い形をしています。
また、次のような見た目も特徴です。
巣はまず女王バチによって作られます。女王バチ一匹で50房前後を作り、そのあとに卵を生みつけます。しばらくすると内部で働きバチが羽化し、この働きバチたちが巣を大きくしていくのです。
巣は上から下に向かって作られるため、上のほうはかなり頑丈です。一方で、下のほうはもろくなっていることがあり、ときに崩れてしまうこともあります。
キイロスズメバチは、本来、豊かな自然の中に生息しています。しかし、最近では、住宅街など人間が住む環境にも巣が多く作られるようになりました。
また、茂みの中、木の下、人間の生息域である橋の下、看板の裏、住宅の軒下、屋根裏などに巣を作ることもあります。巣が作られる場所には、雨風がしのげるという共通点があります。
キイロスズメバチの巣は短期間で巨大化することがあります。
普段は群れで行動しますが、その数が非常に多いのが特徴的です。たくさんの働きバチが巣作りに集中するため、数日程度でも巣はかなりの大きさになります。
巣はときに1m近いサイズになることもあります。直径70cm以上の巣には働きバチが1,000匹以上生息していることもあるため、十分注意しましょう。
キイロスズメバチは入口が1つという構造の巣を作りあげます。下部が抜けている巣を作るハチもいるの対して、巣穴を1つ残してほかの部分をしっかりと目張りして仕上げます。
巣の引越しをすることでも知られています。6月から7月にかけて巣の中の働きバチが一気に羽化すると、巣が狭くなってしまいます。このタイミングで巣を広げるケースもありますが、巣のサイズを広げにくいときには巣の引越しが行われるのです。
巣の引越しが行われる初夏の時期には、すでに羽化した多くの働きバチが戦力として動けるため、巣は数日間で巨大化することもあります。なお、引越し先は元の巣の近くが選ばれるのが一般的です。多くの場合、同じ敷地内や隣接した住宅など、元の巣から100m以内の場所に新たな巣が作られます。
キイロスズメバチの70%近くが、初夏頃に引越しをするといわれます。巣を駆除するのであれば、引越し前や引越し後の巣が近隣に作られていないかをチェックすることが肝心です。
最近では、民家周辺や街なかでキイロスズメバチの巣が作られるケースが増加しています。これは、都市部の環境が合っているためです。
営巣の際、風雨をしのげるような場所を探す習性があります。人間の住む民家の軒下や屋根裏は住みやすい好環境なのです。
巣はコンクリートや金属、プラスチックやガラスなどの素材にも作られます。素材を選ばず巣を作れるという点でも、都市に向いているのです。
ほかのハチは都市部が苦手なため、自然の多いエリアに巣を作ります。キイロスズメバチの天敵であるオオスズメバチも、街なかに巣を作ることはほとんどありません。天敵となるほかのハチがいない街なかの環境はかなり都合が良いのです。
また、山間部より暖かく越冬しやすい点や多くの食料がある点も、街中に巣を作る大きな理由です。
住宅周辺でキイロスズメバチが飛んでいるのを見かける場合は、近くに巣が作られている可能性があります。
自宅の近隣で巣が見つかったときなどは、刺されないよう万全の対策をする必要があります。具体的には、以下のポイントに注意しましょう。
キイロスズメバチは人間が巣に近づいただけで攻撃や威嚇行動をする凶暴なハチです。視力が良く、動くものに対して即座に反応できるのも特徴です。
うっかり巣に近づいてしまうと素早く攻撃されるおそれがあるので、基本的には巣の3メートル圏内には近づかないことが重要です。
動くものや大きな音に反応しやすいというのも特徴です。
見つけたときには驚いてつい大声を出しそうになることもあるかもしれません。しかし、大声を出したり大きな身振りで追い払ったりしようとすると、逆に警戒されてしまうきっかけとなります。
万が一、巣の近くに行ってしまったときや遭遇してしまったときには、音を立てないよう気をつけてゆっくりとその場を離れましょう。
キイロスズメバチがいそうな場所に近づくときには、ハチに刺激を与えやすい服装を避けましょう。
黒いものを標的とする習性を持つため、黒い衣服は身に着けないほうが無難です。また、毛皮やふかふかとした服を着ていると動物と間違われ、攻撃されることもあります。ほかに、スカートなどのひらひらする衣服も避けましょう。また、動きに敏感なため、ひらひらと動くものがあると素早く攻撃してきます。
また香水や整髪料をつけていると攻撃されるリスクが高まります。その理由は匂いで刺激してしまうからです。
巣を放置しているとどんどん巨大化し、キイロスズメバチが繁殖してしまいます。巣があるときにはできるだけ早く駆除の対処をしましょう。巣の駆除方法は大きく2つに分けられます。
キイロスズメバチの巣は自分で駆除可能です。ただし駆除に踏み切る際には、自力での駆除が可能かを冷静に見極めることが肝心です。
巣の大きさが10cm以下と小さい場合には、生息しているハチの数が少ないかまだ羽化していない可能性が高いといえます。この状態であれば駆除をしても反撃されるリスクはそれほどありません。
このハチは強力な殺虫剤を使うことで駆除できます。
キイロスズメバチの駆除を行う際には、防護服をつけるなど万全の準備が必要です。
防護服は自治体が貸し出しているケースもあるため、問い合わせてみてもよいでしょう。なお、防護服を身につけるとかなり暑くなるため、駆除中の熱中症には十分気をつけなければなりません。
巣が大きくなってしまっているときや駆除しにくい場所に作られているときには、個人が駆除するのはかなり難しいです。決して無理をせず、専門業者に駆除を依頼しましょう。
ハチ駆除の専門家は豊富な知識やノウハウを持っています。また、駆除に必要となる道具や効果の高い殺虫剤を用意できるのも、専門家ならではです。少しでも危険性を感じるときには、自力での駆除をせずプロに任せるのが安全です。
キイロスズメバチが住宅などに巣を作ってしまった場合、放置するのは危険です。巣を見つけたときにはできるだけ早く駆除の対処をしたいものです。
自力で駆除をする際には、以下のような方法で進めていきましょう。
駆除する際には、ハチに刺されることがないよう万全の装備を固めましょう。
防護服はハチの駆除専用のものを用意しましょう。専用の防護服はホームセンターやネット通販などで購入できます。また、市区町村によってはハチ駆除のための防護服を貸し出していることもあります。防護服に加え、厚手の革手袋や長靴なども必ず装備しておきましょう。頭部はヘルメットで保護するのが安心です。また、首にはタオルやマフラーを巻いておきます。
キイロスズメバチは毒液を飛ばしてくることがあり、これが目に入ると危険です。顔面はフェイスガードやゴーグルなどで防備しておきましょう。
防護服や小物を装備するときには隙間ができないようにするのがポイントです。露出してしまう部分はネットなどで守るようにしましょう。
なお、黒いものを標的として攻撃する習性があります。防護服や各種小物を用意するときには黒いものを避け、白やそれに近い色のものを用意するとよいでしょう。
スズメバチのなかでもキイロスズメバチを駆強するのであれば強力な殺虫剤が必須です。殺虫剤の効果が弱い場合、すぐに駆除できず、攻撃されてしまうおそれがあります。
数ある殺虫剤のなかでも駆除効果がとくに高いのはピレスロイド系の殺虫剤です。ピレスロイドには麻痺効果があるため、噴射によってハチを無力化できる可能性が高いのです。ピレスロイド系の殺虫剤のパッケージには基本的に、ピレスロイド系成分が含まれている旨が明記されています。ピレスロイド系の成分にはフタルスリンやレスメトリン、モンフルオロトリンなどがあるので、こういった成分を含むものを選びましょう。
また、噴射力の高い殺虫剤を選ぶことも大切なポイントです。巣に近づきすぎてしまうのはリスクが高く危険です。攻撃されるのを防ぐためにも、噴射したときに数メートル先まで届く殺虫剤を選びましょう。
駆除中で殺虫剤が切れてしまっては危険なので、駆除前には2本以上の殺虫剤を購入しておくのが安心です。
キイロスズメバチは日中に活発化するという特徴があります。日中に駆除すると攻撃されやすくなるうえ、巣を離れていた仲間が戻ってきて追撃されてしまう可能性もあります。
駆除は夕方以降、暗くなった時間帯に行いましょう。暗くなって働きバチが巣に戻って休んでいる時間帯を狙い、一気に駆除を行います。
夜間の駆除には明かりが必要ですが、明るい光を当ててしまうと行動が活発化しやすくなります。懐中電灯に赤いセロハンをかぶせてから点灯させれば、ハチが光を認識しにくくなりスムーズに駆除作業ができます。
駆除の際には、少し離れた場所から殺虫剤を噴射します。
巣からの距離は3mほどあけておくのが安心です。風向きを見ながら、風上から風下に向けて殺虫剤を撒くとうまくいきやすくなります。
殺虫剤を噴きかけるとハチが巣穴から飛び出してくることがあります。出てきたハチにも殺虫剤がかかるよう、丁寧に噴射していきましょう。しばらく殺虫剤を噴射してハチの動きが落ち着いたら、スプレーのノズルを巣穴に挿入して噴射します。このタイミングでハチが飛び出してくることも多いものですが、そのまま噴射し続けましょう。
ハチの動きが弱まったら、長い棒や高枝切りバサミで巣を落とします。あとは、割れた巣や死骸にしっかりと殺虫剤をかけて処理すれば駆除が完了します。
駆除する際には必ずゴミ袋を用意しておきましょう。また、落下したハチを集めるホウキとちりとりも必要です。
この際、死骸には十分に注意を払ってください。死骸を不用意に触ると針が飛び出してくる、毒液が出てくるといった可能性があります。
駆除したあとには死骸をホウキとチリトリで集め、巣とともにゴミ袋に入れて処理しましょう。
最後にゴミ袋の中に殺虫剤を噴射してから袋の口を結べば安心です。
巣を見つけたときには不用意に近づいたり刺激したりしないよう注意して、専門家に駆除の相談をしましょう。ハチの生態や性質に関する豊富な知識と経験を持つプロを選べば、安心して駆除を任せられます。とくに、巣の大きさが10~15cmを超える場合には、自力での駆除は大変危険です。
「ハチ駆除119番」は、ハチの巣の駆除の豊富なノウハウを持つ専門業者です。キイロスズメバチの巣にお困りの方は、ぜひ「ハチ駆除119番」へご相談ください。
キイロスズメバチはほかのスズメバチと比較すると小ぶりなハチです。特徴としては、「雑食」「動きが素早い」「活動期間が長い」「繁殖力が強い」などが挙げられます。
また、キイロスズメバチは攻撃性が高いため要注意です。巣を見かけた場合は、不用意に近づかないようにしましょう。
キイロスズメバチは風雨をしのぐため、民家周辺や街なかで巣を作るケースも少なくありません。キイロスズメバチの巣はラグビーボールのような楕円形であることが多く、土色のマーブル柄と貝殻模様が特徴的です。
キイロスズメバチを自力で駆除することは不可能ではないものの、駆除には大きな危険がともないます。オオスズメバチほどではないとはいえ、毒性が強く、刺されると重症化するリスクがあることを覚えておきましょう。
キイロスズメバチの巣を見つけたら、専門業者に駆除を依頼するのが安心です。