蜂の巣駆除お役立ち情報

コガタスズメバチの巣は初期の駆除が重要!巣の特徴や毒性を解説

ハチの中でも猛毒を持つとされ、もっとも恐ろしいスズメバチの中でも、人の生活範囲にも生息し目撃されることが多いのは、「コガタスズメバチ」というハチです。
比較的おとなしい性格ではあるものの、コガタスズメバチは木の枝や、茂みの中などにも巣を作ることがあるので、うっかり気が付かないうちに近づきすぎてしまい刺されてしまうケースが多発しています。
5月くらいから女王バチが巣を作り始め、夏以降になると働きバチが孵化して個体数も増加していき、さらに巣の拡張を行っていきます。
巣は大きいものだと約30センチにもなってしまうものもあるため、見かけたら早期に対処してしまうのが肝心です。
今回は、コガタスズメバチを見かけたときの対処方法を詳しく解説していきます。

コガタスズメバチについて解説

※出典:コガタスズメバチ|上野高敏 -Takatoshi UENO-
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/ine/ueno/suzumebachi3.html

コガタスズメバチとは、一体どのようなハチなのでしょうか。
どのような性格で、どのようなところにいるのか。
巣作りのタイミングや巣の特徴、他のスズメバチとの見分け方など、コガタスズメバチについて詳しく見ていきましょう。

コガタスズメバチの生態

コガタスズメバチの見た目はオオスズメバチとよく似ていますが、5センチほどにもなるオオスズメバチよりも一回りほど小さく、女王バチの体長は2.5〜3.0センチ、働きバチで2.2〜2.8センチあります。
基本的に3センチ以上ある大きさのスズメバチを見かけたときは、オオスズメバチの可能性がありますので要注意です。

また、サイズ的にはコガタスズメバチとさほど変わりないとされるキイロスズメバチ、モンスズメバチには、胴体の色や模様にそれぞれ違った特徴があります。
コガタスズメバチは手足が黒っぽい色をしており、胴体はオレンジ色と黒色の太い縞模様が特徴的ですが、キイロスズメバチは名前のとおり全体的に黄色がかっていて、手足も黄色いのが特徴的です。
モンスズメバチは左右対称の黒い紋様があるため、よく見てみると違いがわかるかと思います。

コガタスズメバチは生息範囲はとても広く、北海道から沖縄まで広範囲に分布しているハチです。
他のスズメバチよりも餌とする昆虫の種類が多く、人間の残したご飯も餌としてしまうため、人が住む都市に対しても適応することができます。

オオスズメバチや他のスズメバチが森林などの人里離れたところに生息しているのに対して、コガタスズメバチは住宅地の庭木、公園といった場所などにも生息。
人に対する被害も多く発生しており、庭のある住宅や公園の近くに住んでいる方は注意が必要です。
ここ最近では、年々都市の緑化傾向が進行していることから、街中や住宅街などといった場所でのコガタスズメバチの発生が多く、普段から遭遇してしまう可能性がとても高くなっています。

コガタスズメバチの毒性や危険性について

小型といってももちろんスズメバチであることには変わりはなく、強い毒針を持ち、もし刺されてしまうと強い痛みを感じます。
他のスズメバチに比べておとなしい性格ではあるコガタスズメバチですが、巣を揺らすなど刺激してしまったり、壊してしまったりといった刺激を与えてしまうと攻撃を受けたと感じ、反撃してきます。ハチは攻撃を始めると仲間を呼びはじめ、集団で襲ってくることもあるので大変危険です。
威嚇してきたり、攻撃をされた場合はすぐさまハチと巣からできる限り距離を取るようにしましょう。
また、夏以降は働きバチが孵化して個体数が急増するため刺される可能性も高くなります。
さらに秋にかけては、孵化した新しい女王バチを育てているため、守ろうと非常に凶暴になり攻撃的なので注意しましょう。

また、ハチに刺されてしまうと毒に対してアレルギー反応を起こしてしまう場合があります。
一度に大量に刺されてしまったり、すでに刺された経験がある方がまた刺されてしまったりすると、アナフィラキシーショックという過剰なアレルギー反応を起こしてしまう可能性があり、最悪の場合では死に至る危険性もあります。
刺されてしまった後に、めまいや体にしびれを感じたり、鼻がつまる、呼吸困難、吐き気、意識の低下など様々な症状がでてきてしまったりした時には、自分で対処せずにすぐに近くの病院に駆けつけるなど対応するように心がけてください。
また、映画のように口で毒を吸い出そうとしてしまうのも危険です。毒は粘膜から吸収されてしまうこともあるので、刺された患部を強くつまむようにして絞り出すようにしましょう。
ただし、アナフィラキシーショックは、刺されてしばらくしてから症状が出てくることもあるので、刺された場合は放置せず、近くの皮膚科など病院で受診するようにしてください。

コガタスズメバチの活動時期や巣作りのタイミング

秋頃に羽化したコガタスズメバチの新女王バチは、オス蜂との交尾を終えると越冬の準備に入ります。
倒木や朽ち木の中に自ら越冬室をつくり、半年間以上の長い越冬期間に入ります。この間、餌を取ることはなく一匹で越冬室で過ごすのです。

そして春を迎え、4〜5月に長い越冬を終えた新女王バチは、巣作りの場所を探しながら徐々に体力を回復させていき、場所を定めると単独で巣作りを開始。
巣の拡張をしながら最初の産卵や、餌の確保、孵化した幼虫の育児、すべて単独で行うのが特徴。

5〜6月くらいになると、最初に産卵した10〜15匹ほどの働きバチが羽化し始めて、一緒に狩りや巣の拡張をします。
夏頃(7〜8月)には着々と働きバチが羽化して、どんどん個体数が増えていくと、女王バチは産卵に集中するために巣の外には出てこないようになり、狩りや巣の拡張を行うのは働きバチのみ。
この時期になると、普段は他のスズメバチに比べておとなしいコガタスズメバチも、凶暴になり攻撃的になるので注意が必要です。

9〜11月に新女王バチと雄蜂が羽化すると、コガタスズメバチたちの活動はピークを迎えます。新女王バチを育てつつ、自分たちの巣を守るためにさらに攻撃的になります。
夏から秋頃は、人が刺される被害も多い時期です。スズメバチは集団で行動をしているため、1匹でも見かけたら仲間が近くにいるかも知れません。
むやみに刺激すると仲間と呼び始めてしまうので、刺激しないようにしてください。
もし巣を見かけたとしても、なるべく近づかないようにしましょう。

コガタスズメバチの巣の特徴とは?

コガタスズメバチの巣の初期(5〜6月)は女王バチがたった1匹で巣を作り、直径でおおよそ10センチ程度まで大きくなります。この時期の巣はとても特徴的で、巣穴は下方向に伸びており、とっくりをひっくり返したような形をしています。
とっくり状の巣は、巣内の温度を保つためや、外部からの敵に侵入されないようにと考えられています。そしてこの特殊な形状は、コガタスズメバチと、ツマグロスズメバチという八重山諸島付近に生息するスズメバチにしか見られない特徴です。
そのため、このとっくり形状の巣を本島で見かけた場合は、コガタスズメバチの巣である可能性が高いと言えるでしょう。

6〜9月になり、繁殖のピークを迎え働きバチが羽化しはじめると、個体数が増えていくとともに巣も拡張。
この頃には、とっくり先端の筒状の部分は破壊され、丸い部分だけを残し大きくしていきます。
周りを覆う外皮を破壊しながら、その周りにまたさらに外皮を覆うように拡張していき、特徴のボール型の巣に変化します。大きいものだとおおよそ30センチほどのサイズまで大きくなることもあるのです。

コガタスズメバチの巣は、朽ち木や、樹皮などを強いアゴで噛み砕いて、自らの唾液を混ぜたものでできています。材料とした木の種類によって色が変わっているため、全体的に白っぽいものから、茶色っぽいものなどさまざまです。
また、スズメバチの巣はマーブル模様が特徴的なため、他のハチが作った巣との見分けるポイントとなります。
巣を見かけたときは、巣の大きさや、形状、模様などに注目してみると、スズメバチの巣であるかどうかの判断が可能。

基本的にスズメバチの巣は、雨風が防げる快適に過ごせる場所に作られます。コガタスズメバチは、木の枝や、軒下、生け垣など開放的な空間に作ることが多いです。
しかし、木の茂みの中など、見つけにくい場所にあることも多いので、木を揺らしたりして刺激しないようにすることが大事。
もしも、見つけた巣の特徴が、上記のスズメバチの巣の特徴と酷似しているときは、近くにいる人にも被害が及んでしまう可能性もあるため、ご自身で対処しようとはせずに、なるべく早い段階で専門家に駆除を依頼するようにしましょう。

コガタスズメバチの巣は自力で駆除できる?安全に駆除する方法は?

著作者:garetsvisual/出典:Freepik

スズメバチにはとても強い毒があるため、オオスズメバチに比べて比較的おとなしいといえるコガタスズメバチであったとしても、自力で駆除するのは危険であることに間違いありません。
自分以外の近くにいる人に対しても攻撃してしまう危険性もあるので、基本的には専門業者に駆除してもらうのが安全といえるでしょう。
しかし、コガタスズメバチの巣の特徴を見て、まだ巣作りの初期段階であれば、さほど危険でなく容易に駆除することができる場合もあります。
それぞれの方法について、詳しく解説いたします。

自力で駆除する方法

※出典:ハチの巣の駆除はどうすればよいですか?|船橋市公式ホームページ
https://www.city.funabashi.lg.jp/faq/kurashi/doubutsu/007/p010825.html

前述した活動時期や巣作りのタイミングでも軽くお伝えしましたが、スズメバチの活動がピークの時期は、凶暴になっておりとても攻撃的な性格。
しかし、巣作りが初期の状態は、まだコガタスズメバチの個体数が少ない時期のため、比較的に危険性が少なく、ご自身でも駆除が可能な場合もあります。
女王バチが単独で巣を作っている春から梅雨前あたりの時期は、巣自体がまだ小さく、女王バチと幼虫しかいないため、危険性が低いので駆除しやすいタイミングです。
とはいえ、女王バチにも毒針はあるので、攻撃してこないわけではありません。刺されれば非常に強い痛みを感じますので、油断しないよう注意してください。

スズメバチは主に日中に活動して、夜は巣に戻っていて動きも鈍っています。
ご自身で駆除する場合は、日中は避けて夕方以降に行うのがベストです。日中に駆除しようとすると、外で活動していた働きバチがどんどん戻ってくるので刺されてしまう可能性が高くなります。
しかし、夜間であれば働きバチも巣穴に戻ってきているため、まとめて駆除しやすいです。

駆除するにあたり、準備しておきたいものとしては、やはり防護服でしょう。
少し高価ですが、インターネットでも購入することができます。顔まで覆えるタイプのものも、多く販売されておりますので安心です。
防護服が用意できない場合は、なるべく厚着し、白い服を着用してください。ハチは黒いものに飛んでくる習性があるので、黒い服の着用はやめましょう。
また、首周り、手、足首などの、どうしても厚着しづらい場所にはタオルを巻くなどの対応も必須です。手の袖や、ズボンの裾からも侵入してくることがあるので、縛っておくなどしておくとよいでしょう。
手や足は、分厚い革の手袋や、長靴などがあると、針を通しづらいため準備しておくことをおすすめします。

くわえて、殺虫剤・ゴミ袋・長い棒を用意してください。
殺虫剤は、蜂専用のスプレータイプ2〜3本を余裕を持って準備します。
ハチ専用には「ピレスロイド系」の成分が含まれておりますが、通常の殺虫剤だとピレスロイド系の成分が含まれていないものがあるので注意してください。ゴミ袋は退治したハチや、巣を捨てる際に必要です。
また、ハチの巣は手の届かない場所にあったり、まだ生きているハチが巣から出てくることがあるので、巣を落とす際は長い棒を使用して落とすようにしましょう。

準備ができたらまず、十分な距離をとった位置から、巣全体に殺虫剤を噴射します。
ハチが飛び出して来るので、よく注意しながら3分ほど殺虫剤をかけ続け、巣穴付近にも噴射してください。
殺虫剤でだいぶ弱ってきているはずですが、外にでていたハチが戻ってくるハチにも注意して、長い棒を使って巣を落とします。

最後にゴミ袋に入れて処分します。念の為、ゴミ袋は数枚重ねておき、中にも殺虫剤を巻いておくと効果的です。
薬で死んだと思って落ちているハチにも注意してください。生きていて刺されることもあるので、トングを使用するなどして、素手では行わないでください。

最後に木酢液を巻いておきましょう。虫よけに効果的なので、ハチも寄りづらくなります。

ただし、あくまでも個人で駆除する場合は、非常に危険だと認識した上で駆除するようにしましょう。
スズメバチは攻撃を受けたと認識すると、仲間を呼び集団で攻撃してきます。
一度に複数箇所を刺されたり、以前刺されたことがある方は、死に至るようなアナフィラキシーショックを起こす危険性があるので、なるべく専門業者に駆除を依頼するようにしてください。

専門の業者に依頼する方法

すでに巣がある程度大きくなっているなど、初期時期ではない場合は、働きバチの羽化が始まって個体数が多くなっているため、自力での駆除は非常に危険を伴います。
そういう場合は、ご自身で駆除しようとせずに、多少のコストがかかったとしても専門業者に依頼するのが一番安全であり、確実に対処してくれるでしょう。
外出していた戻ってくるハチに対するケアをしてくれる業者もあります。

専門業者に駆除を依頼した場合の費用は、ハチの種類ごとで基本料金が設定されていることが多く、依頼する時期や、巣の大きさ、巣がある場所によっても追加料金が発生する場合も。
スズメバチでいえば、10,000〜50,000円ほどの基本料金からプラスして、大きさや場所によって追加料金となりますが、防護服等を購入するコストと比べて、安全性やアフターケアを考えると、安心かつ確実といえます。
時期や巣の大きさにより追加料金が変わってくるため、危険度や難易度が低い早期の駆除であればあるほど、費用も抑えることができるのです。

ご自身での駆除が難しい場合は、まずは業者に相談してみることをおすすめします。
行政で行ってくれる地域もありますが、完全な駆除は難しかったり、戻りバチに対するアフターケアはないことが多いので、やはり専門業者が安心です。

無料相談してくれる専門業者も多いので、まずは相談して、見積もりをとってみましょう。
即日駆除が可能だったり、アフターケアなど充実している場合があるので、最終的に費用面で抑えられるケースもあります。

まとめ

コガタスズメバチは環境適応能力の高さから年々数の増加傾向がみられ、比例して刺された被害事例も多くなってきております。
都市近郊でも増加しているので、自分の周りにはいないとは限らない状況です。
コガタスズメバチという名前に油断して、スズメバチ本来の毒針の危険をないがしろにはできません。実際にスズメバチによる死亡例は毎年20人前後にも及んでいます。
最近ではコロナよる規制も緩和されつつあり、今後は外出の機会も増え、アウトドアブームということもあり、まだまだ被害が増えることも予想されます。
コガタスズメバチは、適切な知識で対応すれば、比較的安全に駆除することもできますが、攻撃される危険が0になることはありません。
もし、ご自宅でも近所でもハチの巣を見つけた場合は慌てず、安全な距離を取りましょう。また、近くに巣がないか確認し、刺激しないように注意してください。

コガタスズメバチはご自身で無理して駆除しようとはせず、専門業者に依頼して駆除してもらうのが安全かつ確実です。
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