「戻り蜂」とは？巣を駆除した後もしつこく戻ってくる蜂への対処法と予防を解説

「戻り蜂」とは、一度巣を駆除したにも関わらず、なぜかまた同じ場所に戻ってくる蜂のことを指します。戻り蜂は、多くの家庭で悩みの種となっています。蜂は巣を失っても、本能的に元の場所に戻ろうとするため、単に巣を取り除くだけでは問題が解決しないことが多いのです。
今回は、戻り蜂の原因と特徴、戻り蜂の種類や、効果的な駆除後の処理方法と予防策を詳しく解説します。蜂の問題に頭を悩ませている方へ、再発を防ぐための具体的な対処法をご紹介いたします。

この記事でわかること

• 戻り蜂とは？
• 戻り蜂が発生する原因と発生する時期
• 戻り蜂へのた対処法

戻り蜂とは？巣を駆除した後も蜂が戻ってくる原因について

戻り蜂とは、蜂の巣を一度駆除してもしつこく元の場所に蜂が戻ってくる現象だということは、冒頭でもお伝えしました。これは特に春から夏にかけて多く発生し、多くの家庭や施設で問題となっています。この不快な現象は、なぜ起こるのでしょうか？
ではここから、戻り蜂の特徴、発生する原因、そしてその発生する時期について、詳しく解説します。正しい知識を身につけることで、効果的な対策を講じることが可能となりますので、ぜひ参考にしてください。

戻り蜂の特徴

戻り蜂は、一度その場所に巣を作った蜂が、巣を取り除かれた後も、なぜか再び同じ場所に戻ってくる現象です。
蜂は、巣を作る際に特定のフェロモンを分泌し、これが「家」と認識するサインとなります。巣が破壊された後も、これらのフェロモンの痕跡が残っていると、蜂は元の場所を目指して戻ってきます。この行動は、特に巣の再建を試みる女王蜂や働き蜂によく見られます。
戻り蜂は特に、巣の中で生まれた蜂によく見られ、これらの蜂は、生まれた場所を中心に活動する傾向があります。そのため、巣を単に物理的に取り除くだけでは、蜂はその記憶から解放されず、再び集まってくるという特徴があるのです。

戻り蜂が発生する原因は？

戻り蜂が発生する原因は、主に蜂の強い帰巣本能と、巣の駆除方法が不完全であることに起因します。蜂は一度巣を作った場所に強い縄張り意識と帰巣本能を持っており、その場所を特定のフェロモン（化学物質）でマークします。このフェロモンが残っている限り、蜂は元の場所に戻ろうとするため、単に巣を物理的に取り除くだけでは根本的な解決にはなりません。

さらに、巣の取り除き方が不十分である場合、小さな巣の破片が残っていたり、巣を構成する材料が散乱していることがあります。これらが再び蜂を引き寄せる要因となり、特に巣を作った本蜂（女王蜂や働き蜂）が生き残っている場合、彼らは失われた巣を再建しようと試みることが多いです。また、駆除した後に十分な清掃が行われないと、フェロモンが残り、新たな蜂が引き寄せられる原因となります。
季節も影響します。特に春先に巣作りを始める蜂は、失った巣を取り戻そうとするため、この時期に駆除を行っても、戻り蜂の問題が発生しやすいです。さらに、既存の巣の近くで新しい女王蜂が新たなコロニーを形成することもあり、この場合も同じ地点に蜂が戻ることがあります。

戻り蜂が発生する時期

戻り蜂が特に発生しやすい時期は、春から初夏にかけてです。この時期、蜂は新たな巣作りのために活動を開始します。特に女王蜂が冬を越えた後、新しいコロニーを形成するための場所を探し始めるのが春です。この時、以前に巣を作った場所は、既に蜂にとって適した環境として認識されているため、帰巣本能が働きやすく、同じ場所に戻る傾向が強くなります。

また、夏の終わりから秋にかけても戻り蜂が見られることがあります。これは、夏の間に巣が成熟し、蜂の個体数が最大に達するため、巣のスペースが手狭になり、新たな巣場を求めて旧巣地点に戻ることが原因です。旧巣の位置が蜂にとって理想的だった場合、駆除後も再びその場所を目指すことが多いです。

戻り蜂となる主な蜂の種類

巣を駆除しても戻ってくる「戻り蜂」は、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチなど、様々な蜂の種類で発生します。それぞれの蜂の特徴と、戻り蜂となる可能性について詳しく解説します。

ミツバチ

ミツバチは、群れを形成して生活する社会性昆虫であり、戻り蜂としてもよく知られています。彼らは一度設定した場所に強い帰巣本能を持っており、その場所に戻って来やすい性質があります。特に、蜜蜂は蜜源となる花が豊富な場所を好むため、一度巣を作った場所が理想的な環境であればあるほど、巣を駆除しても再びその場所に戻ってくる可能性が高くなります。ミツバチの巣は、木の穴や建物の隙間など、様々な場所に見られ、一度巣が作られると、その場所が「安全」と認識されるため、駆除後も新たな群れによる巣作りが行われることがあります。

アシナガバチ

アシナガバチは日本国内でも非常に一般的な蜂で、その名の通り「長い脚」を持つのが特徴です。彼らは比較的穏やかな性格で知られていますが、戻り蜂としての行動も見られます。アシナガバチは、主に家の軒下や木の枝に巣を作ります。巣を一度作ると、その場所に強い縄張り意識を持つため、駆除しても同じ場所に再び巣を作ることがあります。特に春から夏にかけての巣作りの時期には、既存の巣跡を基に新たな巣を作り始めることが一般的です。

スズメバチ

スズメバチは高い攻撃性で知られ、日本では特に問題となる種がいくつか存在します。彼らは非常に強い帰巣本能を持ち、一度巣を作った場所に再び戻ることが多いです。スズメバチの巣は、大きくて堅固なものが多く、樹木や地下、建物の屋根裏などに作られることが一般的です。巣の駆除を行っても、残ったフェロモンや巣の痕跡が新たなスズメバチを引き寄せ、同じ場所に巣を作る原因となります。スズメバチの場合、巣の再建は非常に速く進むため、駆除後は速やかに周囲の環境整備を行うことが重要です。

戻り蜂への対処法

巣を駆除しても、しつこく元居た場所へ戻ってきてしまう戻り蜂。そんな戻り蜂の駆除を、蜂の巣駆除業者に依頼するのも一つの方法ですが、軽微な被害であれば、自分で対処することも可能なことはご存じでしょうか。
この項目では、戻り蜂に自分で対処する方法と、専門業者を利用する方法について詳しく解説します。

戻り蜂に自分で対処する

戻り蜂への自己対処は、適切な知識と注意が必要です。まず重要なのは、安全装備を整えることです。厚手の服、手袋、帽子、顔を覆うネットなどを着用し、蜂に刺されるリスクを最小限に抑えましょう。次に、巣が小さい場合は市販の蜂用殺虫剤を使用して巣を駆除します。殺虫剤は風のない日の早朝や夕暮れ時に使用すると効果的です。これは蜂が巣に戻る時間帯であり、一度に多くの蜂を退治できるからです。
巣の駆除後、重要なのは巣の完全な除去と、蜂が戻るのを防ぐための対策を施すことです。巣を慎重に取り除き、フェロモンを除去するために巣があった場所を熱湯や酢水で洗浄します。さらに、蜂が好む場所には蜂避けスプレーや防虫剤を定期的に散布し、新たな巣作りを防ぎます。
また、巣の場所を物理的に塞ぐことも効果的です。
例えば、建物の隙間には金網やコーキング材を使用して蜂の侵入を防ぎます。屋外の樹木や軒下など、巣が作られやすい場所には、蜂が嫌がる香りのする物質（例：シナモンオイル、クローブオイル）を置くことも有効です。これらの対策を通じて、戻り蜂のリスクを減らすことが可能です。

ただ、戻り蜂の駆除を自分で行う際には、いくつかのリスクが伴います。
ず、蜂に刺される危険性が非常に高いです。特にアレルギー反応を持つ人が刺されると、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があり、非常に危険です。蜂は自己の巣を守るために攻撃的になりやすく、特にスズメバチのような大型の蜂は非常に攻撃的で、重大な傷害を引き起こすこともあります。
くわえて、適切な知識や道具を持たずに駆除を試みると、不完全な駆除に終わることが多く、結果として蜂が再び戻ってくる原因となります。専門的な駆除方法や、蜂の生態に関する正確な理解がなければ、効果的に巣を完全に取り除くことは困難です。
そのため、戻り蜂の駆除は専門の業者に依頼することが最も安全かつ効果的であると言えます。専門業者ならば、適切な保護装備と方法で駆除を行い、問題を根本から解決してくれます。自己対処の際のリスクを避け、安全を確保するためには、プロの技術を活用するのがよいでしょう。

次に、専門業者を利用して戻り蜂の駆除を行う方法についてお伝えします。

戻り蜂の対処に専門業者を利用する

戻り蜂への対処に専門業者を利用する方法は、安全かつ効果的な選択肢です。専門業者は、適切な知識と経験を持っており、大規模な巣や危険な種類の蜂（例えばスズメバチ）の駆除に対応可能です。業者を選ぶ際は、その評判や保証サービスを確認し、必要に応じて複数の見積もりを取るようにしましょう。そうすることで、適正な価格で駆除サービスを利用することができます。

業者に依頼すると、まず専門の技術者が現場を訪れて巣の状況調査が行われます。
その後、最適な駆除方法（化学的処理、物理的除去など）を選択し、適切なタイミングで駆除作業を行います。専門業者は巣の完全な除去だけでなく、戻り蜂を防ぐための後処理も行います。これには、フェロモンを中和する特殊な薬剤の使用や、再発防止のための環境整備が含まれます。
さらに、多くの業者は駆除後の保証を提供しており、一定期間内に戻り蜂が再発した場合には追加料金なしで再駆除を行うことがあります。これにより、もし戻り蜂が発生しても安心して対応を任せることができます。専門業者を利用することで、蜂の問題を根本から解決し、安全で快適な環境を保つことができるでしょう。

戻り蜂の発生を予防するために有効な手段とは？

戻り蜂の発生を予防するためには、いくつかの効果的な手段があります。これらの予防策は、蜂が元の場所に戻ることを防ぎ、新たな巣作りを未然に防ぐことができるでしょう。

前述した戻り蜂への対処法でもお伝えしましたが、蜂の巣を発見したら、単に目に見える部分だけを取り除くのではなく、巣の破片が残らないように徹底的に除去することが重要です。巣の破片やフェロモンが残っていると、それが他の蜂を引き寄せる原因となります。
巣の初期段階で発見し対処することが、戻り蜂を防ぐ最も効果的な方法の一つです。春から夏にかけて定期的に家の周りをチェックし、小さな巣や蜂の活動を早期に発見することが重要です。
さらに、蜂の餌となるものを放置しないようにしましょう。ゴミ、食べこぼし、果物、蜜などを放置せず処分してください。特に、生ゴミやペットフードは密閉容器に入れて保管するなどの対応が有効でしょう。くわえて、甘い香りや香水、化粧品などの香りは、蜂を誘引する可能性があるため、控えめに使用するのがよいでしょう。

とはいえ、もし戻り蜂が発生してしまった場合は、無理に自分で対処しようとせず、速やかに専門業者に相談することをおすすめします。

まとめ

戻り蜂とは、一度駆除したはずの蜂が再び元の場所に戻ってくる現象を指します。この問題は主に蜂の強い帰巣本能と、駆除後の巣の残骸やフェロモンが原因で起こります。特に春から夏にかけて、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチなどの蜂が活動を始め、以前に巣を作っていた場所に戻ることが多いです。このような蜂の行動は、単に不快なだけでなく、時には危険を伴うため、適切な対処が必要です。自分で対処する場合は、巣を徹底的に除去し、フェロモンを中和する措置を講じることが重要ですが、大規模な巣や危険な蜂種の場合は専門業者の利用が推奨されます。また、戻り蜂の問題を未然に防ぐためには、巣の完全な除去、フェロモンの洗浄、そして環境の整備が効果的です。これらの対策を講じることで、戻り蜂のリスクを大幅に減少させ、安全で快適な生活空間を保持することが可能です。

「ハチ駆除119番」は、何度もしつこく戻ってきては巣を作る戻り蜂の駆除はもちろん、攻撃性が高く危険なスズメバチなど、さまざまな蜂駆除を専門におこなっている専門業者。
駆除したはずの蜂が何度も自宅に戻ってきて困っている方や、蜂の巣が職場や店舗に出来て駆除を検討している方は、ハチ駆除119番までご相談ください。