「佐賀市川副町小々森」キイロスズメバチ駆除

ハチ駆除119番の作業員として、私が訪れたのは佐賀市川副町小々森の一軒家だった。その日は爽やかな風が吹き抜ける、穏やかな日だった。依頼人は20代の奥様で、小学生の息子さんも立ち会った。「息子が裏庭でキックボードをしていて…」奥様が話を始めた。室外機のそばで遊んでいた息子さんが、ハチが飛び回っているのを見つけたという。確認してみると、そこには小さなキイロスズメバチの巣があった。巣の大きさはわずか5cm程度だったが、子どもたちが遊ぶ場所にハチが巣を作るのは大変危険だ。私は息子さんに「ちょっと退いててね」と言い、駆除作業に取り掛かった。今回の駆除方法は、巣から出てきたハチを掃除機で吸い取るというもの。子どもたちがいるので、無駄な騒音を立てずに、すばやく確実に駆除を行う方法を選んだ。少し緊張した表情の息子さんが、離れた場所から私を見つめている。掃除機のスイッチを入れると、ゴーンという低い音が広がった。ハチが一匹、また一匹と吸い取られていき、巣が空になる。僅かな時間だったが、息子さんの安全を守るための戦いだった。巣の駆除が終わったあとは、ハチが集まらないように周辺の清掃に取り掛かった。ハチがエサになりそうなゴミは一切残さずに、掃除機で吸い取った。この後処理もハチ駆除119番の大切な仕事の一部である。最後に奥様に「これで安心してください」と声をかけ、作業が終了したことを伝えると、彼女は安堵の笑顔を見せた。そして、駆除費用15000円を受け取ると、「駆除した後のお掃除が丁寧でした」と褒めてくれた。その一言は、私たちの仕事を更に向上させる原動力になった。私たちハチ駆除119番の任務は、人々の安全を確保し、安心して生活できる環境を提供すること。これからもその任務を全うするために、私たちは日々、ハチと向き合っていく。その日も、一日の仕事を終えて、私は次の現場へと向かった。その背中には、奥様と息子さんの安堵の笑顔が刻まれていた。